ジェラートの歴史

 

ジェラートの起源は、古くはインドと中国の間で約4000年前に生まれたとされていて、雪を牛乳に蜂蜜や香辛料を混ぜたものでした。

 

9世紀になるとアラブ人が南ヨーロッパにサトウキビの栽培をもたらしました。彼らは、水、砂糖、ハーブ、スパイスを使った飲み物を飲むことが一般的で、シャーベットも水と塩を容器で囲んで冷やす方法で作られていました。

 

これが豊かな海塩も雪もあったシチリア島に伝わり、パレルモ周辺の海岸沿いにはサトウキビ畑が作られ、柑橘類などの果物や花などの香りを組み合わせてシャーベットを作っていました。

 

古代ローマ人はこれらを「ニヴァタエ・ポティオネス」nivatae potiones と呼び、好んで食べていました。

 

ルネッサンスになると、イタリアのフィレンツェのメディチ家のカテリーナがフランスへ嫁いだときに共にした宮廷料理人のルリジェッリが今のジェラートやシャーベットのレシピを生み出し他ので、ジェラートの進化はフランスで始まったと言えます。

 

初のジェラテリアを作ったのはシチリア人のフランチェスコ・プロコピオ・コルテッリとされています。1686年にパリに「カフェ・プロコープ」を開き、ここで初めて一般の人にさまざまな種類のジェラートが提供されました。

 

19世紀に入るとアメリカでは乳業メーカーが、ジェラートよりも生クリームが多く含まれる「アイスクリーム」を機械を使って産業的に作るようになっていきました。

 

一方ジェラートは、イタリアでは20世紀に入っても水、氷、塩を使って冷やされた桶を使って作られていました。現在では桶は機械に変わったとはいえ、職人による手作りで作り続けられています。

 

 

ちなみに、さらに古くはアネンデルタール人が食べ物を氷の中に保存していた痕跡が発見され、雪の中にベリーやドライフルーツを保存していました。冬に取れた牛乳を加え凍らせていたことも分かっているので、凍った牛乳とフルーツを一緒に食べていたと思われ、材料から考えるとジェラートの原型とも言える冷たいデザートを食べていたことが分かります。

 

冷たくて甘いスイーツは魅力的で、時代を超えて年齢男女に関係なく好まれ続けていたことが分かります。

歴史の中で引き継がれているジェラート、健康的で素材の風味を楽しむスイーツとして楽しみたいですね。